日本語と英語を比較した英語学習サイト

私が生徒たちに英語を教えていて90%以上で不正解になる問題を紹介する。

( 1 ) 「私には母がいません」の「母」は英語で何と言う?
( 2 ) “ I  go  to  school . ” を日本語に訳すと何だ?

( 1 ) は、‘ my mother ’ と答えてくる。my ? 「私には私の母がいない」って日本語で言うか? 英語の所有格の働きをきちんと学べば、日英とも基本は同じだとわかるはずだ。

( 2 ) は、判で押したかのように、だれもが「私は学校へ行きます( 行く)」と答える。
 
いつ行くの? 明日? 来年? そう問い返すと、みんな一様にまごつく。自分で訳した日本語のふつうの使い方に気づいていない。

これでは、もとの英語の意味もわかっていない。
学生の不勉強の問題、と思ってはいけない。彼らのこの現状は学校英語教育の縮図ではなかろうか。

たとえば、中学一年の教科書に「am = ~ です」と書かれている。教師も、そう教える。
「です」なんて、文末を装飾する付属語ではないか。

言わなくても、文は成立する。文法に誤りは生じない。b e 動詞をそれと同じにされては、たまったものではない。

教師は、日本語はよく知っているはずだ。しかし、英語を教える段になると、日本語を見る目がかすむ。ふだんのことばを見失う。

こうして、教室には「私は速く走る」「あなたは上手に泳ぎます」などの‘ 死んだ日本語’ があふれかえる。

そんなことば、だれがどこで使う?

みんな、日本語と英語は異次元の世界、と中学の頃から思い込む。日英比較の形で英語を考えることもない。

どちらも人間が使うことばではないか、という当たり前の発想が芽生えない。

( 3 ) 英語は五文型、とよく言われるが、日本語の文型は?
( 4 ) 現在完了は日本語にもあるか?
( 5 ) 日本語にも「三単現の‘ s ’」に似た表現はあるか?


こういう問いになると、手も足も出ない。とくに( 3 ) は、学生たちには‘ 青天のへきれき’ だ。「日本語に文型なんてあったか? 」と頭があわて出す。

「文型」以前に知るべきことがある。ものごとをことばでとらえるときの人間共通の認識パターンは何だ? そう問われて、はじめて彼らは「ことば」を見つめる。ふだん使う日本語に目を向ける。

日英語を同次元で見はじめる。それでも、( 4 ) ( 5 ) は、まだまだ遠い。

もう何十年も昔、私自身が学部生から大学院生であったあいだに、日本語と英語を比較した教え方を考えた。

だが、院生の研究会で発表するか、中高生に私的に英語を教えていたとき以外は、そのまま封印していた。
私は、心理学・社会学・言語学をベースにした「教授理論・学校授業論」を考えてきた者にすぎない。英語学の専門家ではない。だから、英語関係の本は書かないできた。

しかし、上の学生の現状を見るにつけ、英語入門の地図を塗りかえるには、むしろ、私のような専門分野から発信すべきなのだ、と思うようになった。周囲の要望も多かった。学生たちからの要望はとりわけ強かった。

このたび、英語ネイティヴスピーカーで英語教育専門家のJoe ( ジョー、カナダ人) の協力を得ることができ、ようやく取りかかることにした。

Joe は、私がしばらく住んでいたカナダ・バンクーバーでの知人であり、心理学の研究者でもある。

当サイトは心理学をベースにしているので、< 英文法- 心理学> という領野で私たちは共通の意識をもつことができた。彼の参画は、またとないであろう最高の機会であった。

当サイトに書かれている英語は、すべてJoe が校閲している。
英文の正しさはもちろん、意味、ニュアンス、使用法についても、現在の北米英語ネイティヴスピーカーの実際である。

当サイトの構成

このサイトの構成は、次のようになる。

( a ) 心理学をベースにした「文を作る頭のしくみ」から話をはじめる。人間に共通した頭のしくみの話である。

それを土台にして、英語の話に入る。文法事項の順番は、一般の文法書や学校用教科書とは大幅に異なる。

本格的に扱う最初の英文は、“ I  want  this  dog . ” だ。どうしてこの文が最初になるのかは、読んでいただければわかる。

疑問文、否定文は、ずっとうしろになる。中学校の教科書では一年生のはじめのほうに出てくるが、こんなむずかしい文法事項を英語の入り口でやってはいけない。

英語を学びはじめるとき、どういう順番がもっとも適切なのか、という観点からカテゴリの順番を決めている。

( b ) 文法的な説明は、ほとんどの項目について、これまでの英文法書には見当たらない新鮮な内容になる。どうしてこういう説明がこれまでなかったのか? と読者は思うであろう。

( c ) 日本語と英語を比較した形を徹底させる。日本語も英語も似たようなものだ、という地平が見えてくるはずだ。

( d ) 扱う領域は、英文法の基本にとどめる。中学生が学校で習う範囲に重点を置き、高校レベルまでのほとんどを扱う。

( e ) 一般に使われている英文法用語は、使ったほうが便利でわかりやすい、という場合には使う。それ以外では、たとえば
「疑問文」→ 「問い」、「前置詞」→ 「位置語」、「現在分詞」→「進行分詞」のように、それらの本質に見合う用語に置きかえる。一般の用語と併用する場合もある。

( f ) Joe がところどころで、英語ネイティヴスピーカー( 子ども、おとな) の「英語のまちがい例」を書いている。
これは、知るといい。英文法を学ぶ読者の多くは、きっと気が楽になる。

英文で書かれているが、日本の高校生くらいになじみやすい英語にしてある。日本語訳( 要旨、抄訳) は載せる。

( g ) このサイトは、主として、大学生および社会人の読者を想定している。とくに「英語をはじめからやりなおしたい」と思う人、「中高生に英語をどう教えるか」を考える人に読んでいただきたい。

ただし、中高生でも読めるように、このページ以外は、日常的で平易なことばを使った。語り口調で書いてもいる。くだけた表現も多用した(「ら抜き」はない。「い抜き」はある)。

なお、「言う」と漢字で表記している部分は、だれかの発話を示す。他はすべて「いう」である。

カナダ人ジョーより英語を勉強をしているあなたへ

Native Learners and Second Language Learners

Do children maKe mistakes when learning their first language? Logically, children must make many mistakes before learning their native language. The road to fluency must include making mistakes.

But, when we begin to learn a second language, we often expect to have certain rules that allow us to learn the language witnout making many mistakes. We often feel embarrassed when making mistakes and try to avoid situations where we might make a mistake. Avoiding mistakes means we never learn certain aspects of the new language.

My children go to school in Vancouver, Canada. Now, my son is in grade two and my daughter is in preschool. When I take my son to school,I hear children of all ages talking in English. Some children make more mistakes than others, but all children make many mistakes.

You would be surprised to hear the many mistakes made. None of these children worry about their mistakes. Of course, my own children still make many mistakes.

I have included some examples of these and other common mistakes so that you can see how important and universal mistakes are for learning.

( 要旨) 子どもは、母語を習得していくとき、かならずことばをまちがえる。まちがえてこそ、母語が習得できるのだ。だから、外国語を学ぶときも、まちがいを避けようとしてはいけない。ことばが学べなくなる。

バンクーバーの小学校にでも行けばわかる。まちがい英語が飛び交っている。しかし、まちがいを気にする子なんて、いない。このサイトに載せてあるまちがい例を見れば、まちがいがどんなにだいじでふつうのことか、ということがわかるはずだ

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