単数形と複数形を日本語と比較しながら詳しく学習してみよう

ここに、犬が二匹います。

いま、「犬が二匹」と言いました。
先に「犬」、それから数、の順でした。

「二匹の犬がいる」と言うこともありますが、一つのセットで見ている感じですね。

「三匹のこぶた」「七人の侍」「アリババと4 0 人の盗賊」のように。

「いる」「生まれた」「飼っている」などにつづける場合は、一匹ずつをとらえて、「犬が( を)二匹」と言うほうが自然です。

まず「いわゆる犬が( を)」とまとめて言って、次に個数を言う、というのが日本語のふだんの言い方です。

名詞の複数形について

‘ dogs ’ ‘ a dog ’ は「いわゆる犬というもの」で、その姿・形を一つ思い浮かべているのでしたね。‘ a ’ にはすでに「一つ」という意味が含まれています。もともと‘ one ’ だったので、とうぜんです。だから、あえて個数を意識して言えば、‘ a dog ’ は「一匹の犬」です。

したがって、ものの呼び名( 名詞) と個数のどちらを先に言うか、ということについていえば、先に個数、次に名詞です。

そうすると、「犬を二匹飼っている」と言う場合も、「二匹の犬を飼っている」となります。英語は、つねに、「個数+ 名詞」の順です。

では、「二匹( two) の犬」は‘ two dog ’ か?

ところが、そうではなく、‘two dogs’ です。‘ two ’はいいのですが、‘ dog ’ が‘ dogs ’ になっていますね。この‘ s ’は、日本語で「あの人たち」などと言う場合の「~ たち」に似ています。

‘two’ で「次のものは二つである」と断った上に、‘ dogs ’でも複数であることを断るのです。日本語で「二人の男の人たち」と言うのと同じですよ。

日本語の「~ たち」( あるいは「~ ら」「~ ども」) は人の場合がほとんどですね。ときに「その犬たち」「あのネコども」などと「動物」について言うくらいです。「リンゴたち」「車たち」などとは言いません。「木々」「花々」… … という言い方もありますが、わずかですね。

それが、英語では、「人」「動物」であろうと「リンゴ」「車」であろうと何であろうと、複数のものなら、その名詞は‘ s ’ をつけた形( 複数形) であらわすのです。

ペンが五本なら‘ five pens ’、リンゴが三つなら‘ three apples ’というようにです
注意: 何かを数える場合、日本語では「二つ」「三匹」「四人」「五個」… … のように「つ」「匹」などの「助数詞( じょすうし)」を必ず使いますね。「犬が三」「三の犬」とは言いません。英語には助数詞がありませんので、何でも「1 : o n e ,2 : t w o , 3 : t h r e e , 4 : f o u r , 5 : f i v e , 6 : s i x, … … 」でいいのです

日本語の助数詞の複雑さに比べると、すっきりしています。もっとも、最近の日本語は、何でも「つ、個」になりはじめていますがね。「とうふ一丁( いっちょう)」が「とうふ一つ( 一個)」のように。

一つ( 単数) でも複数でも、日本語では「犬」「リンゴ」などとしか言わないが、英語では複数なら‘dogs’‘ apples ’ と言う、という日英のちがいは重大です。

これは、日本語と英語の「最大のちがい」かもしれません。
もう少しくわしく述べましょう。「最大」かどうかは、あなたが決めてください。


単数か複数かを区別する

「リンゴが三つある」と言うとき、日本語は「三つ」に複数の意味を任せます。「リンゴ」は、それらのものを一括した代表の役目をはたすのです。「リンゴといわれるもの、が三つある」と言っている感じですね。


英語は、そこに見えるそれぞれのリンゴに‘ an apple ’ を当てはめ、‘ three apples ’ は‘ an apple ’ の具体的な集まり、と見るわけです。



日本語の「三人の男の人たち」が「男の人、男の人、男の人」であるのと同じ感覚です。

下にリンゴがいくつかあります。複数個です。だから、それをまとめて「そのリンゴ」と言うときも‘ the apples ’ です。
リンゴの複数形

単数か複数かの区分だけですが、見えるものや思うものが一つなら単数形、そうでなければ複数形です。‘ the apple ’ と言えば、リンゴは必ず一つです。

‘ apple ’ に‘ ~ s ’ がないからです。指示語があっても、名詞は単数か複数かのどちらかです。


英語を話す人は無意識に単数か複数かを判断している

「ちゃんと手でコップをもって! 」の「手」を‘ your hands ’ と書きました。「手」は、片方なら‘ hand’ なので、‘ hands ’ は複数形です。

手は二つしかありませんから、その英語は「両手でもって」の意味になりますね。
日本語で「ちゃんと手でもって! 」と言われた子どもがコップを片手でもったら、親は「ちゃんと両手で! 」と言いかえるかもしれません。

ところが、英語では、はじめから‘ your hand ’か‘ your hands ’のどちらなのかを明言するのです。というより、どちらかを言うしかないのです。一つ、二つ、と数えることができるものなら、単数か複数のどちらかを瞬間に選ばなくてはなりません。

トムがスキーで脚を折ったとしましょう。それをうわさで聞いたあなたがだれかに伝えます。「トム、折った」ですか? 「… … his legs 」ですか? ‘ his legs ’ と言えば、「両脚骨折」のうわさが伝わります。

この程度では、「最大のちがい」とはいえませんね?

「メルボルン事件」といわれる「日本人旅行者ヘロイン密輸事件」があります。裁判における通訳者の通訳がひどかったようで、冤罪事件として有名です。「スーツケース」は一つだったのか、そうではなかったのか、という問題もかかわっていたようです。何かで調べてみてください。

おや? いま「日本人旅行者」といいましたよね。一人だったのでしょうか? この日本語ではわかりませんね。英語では少なくとも「一人」か「複数人」かの区別はしないといけません( 実際には何人であったのかもお調べください)。

ほら、こうなると、単数複数を区分する「英語の目」は、日本人にはちょっと慣れないでしょ。

前に( 指示語の話のとき)、「オレはボブの妹が好きだ」の「妹」を‘ Bob's sister ’ としました。‘ sister ’ と単数で言うと、ボブには妹は一人だけしかいない、ということになります。ある
いは、「オレ」は彼の妹は一人だと思い込んでいる、ということかもしれません。いずれにしても、「妹は一人」という話です。

‘ my ’ ‘ hi  ’ ‘ Bob ’ s ’ などは指示語( あるいは、その仲間)ですから、‘ the dog ’ などと同じで、‘ dogs ’ でなければ、指示したものは他にはない、ということです。だから、うしろに
‘ sister ’ と言えば、それ以外には同じ指示語をつける人はいない、ということなのです。

もしボブに何人かの妹がいるなら、‘Bob's sisters ’ です。でも、その全員が好きなのではなく、そのうちの一人ですよね。

その場合は‘ one of Bob's sisters’です

「ボク、きのう、友だちと新宿で… … 」の例を出したとき、「友だちと」を‘ with one of my friends’ にしました。

これを‘ with my friend ’ と言うと、友だちは一人しかいないということか、‘ my friend ’ と言えばだれでもわかる私の特別の友だち、ということになってしまいます。

その区別がめんどうなら、‘ a friend ’( 友だちといえる人)でかんたんに済ますこともできますがね。

英語の数意識は、日本語とはおおちがいです。個数を必ず数えるわけではありませんよ。でも、ぱっと目にするか頭に浮かんだものを単数か複数かに瞬間に区別してことばを選ぶのです。

日本人はなかなかできるもんじゃありません。「最大のちがい」かどうかは、みなさんが判断してください。


ネイティブでも間違える?複数形と単数形でのちょっとした勘違い

Example of Mistakes
My Bottles and My Bottle
Once, I was throwing a bottle into the recycle box behind my house. I saw someone collecting bottles.
 I said this: “Do you want my bottles.” I was tired, so I said this fast and unclearly. I only had one bottle.
When I gave him the bottle, he looked unsatisfied. Then he asked me this: “Do you have any more?”
At first, I thought he was being impolite. Later I realized that I had confused the situation by saying 'bottles’ instead of ‘bottle.’
(要約)家の裏にあるリサイクルボックスにビンを投げ込もうとしたら、だれかがビンを集めているのが見えたので、「ビン(my bottles)、 いるかい?」と言ったのです。もっていたビンは一つ。それをあげたのですが、彼は不満そうで、「もっとないの?」と間いてきました。
失礼なヤツだ、とはじめは思いましたが、あとで気づきました。‘bottles’ と言った自分がいけなかったのです。

Email and Email
Imagine this situation: You received three emails from a business associate. If you sent him or her a reply that said, “ I am writing to confirm that I received your email,” your business associate would be a little confused. She or he would probably contact you to see if there was a mistake, and might send you another email:“ I sent three emails through. Which one did you receive?

( 訳) 取引先からeメールを三通受け取ったとします。その返事を送るとき、「e メール( email ) をお受け取りいたしました」と書いた場合、先方は困惑します。「送ったのは全部で三通ですが、どれをお受け取りになりましたでしょうか」という連絡が来るかもしれません。


冠詞『a』『an』について補足説明

これまでのことについて、いくつか補足しておきます。
( 1 ) 「犬が二匹いる」の「犬」は、いわゆる「犬」というもののことです。特定の犬を指してはいません。一匹なら‘ a dog ’と言うところです。しかし、二匹なのでそうは言えません。

したがって、‘ two dogs ’ は、「いわゆる犬というもの」という意味の‘ a dog ’ を二つ重ねて、‘ a dog  , a dog  ’ → ‘ two dogs’になった、と見ればいいのです。“ I have two dogs ” で「いわゆる犬というものを二匹飼っている」ということです。

( 2 ) ‘ a ( an ) ’ の場合は、‘ this ’ その他の指示語と同居できませんでした。「いわゆる~ 」と「この~ 」は、互いに矛盾するからでしたね。

ところが、複数の‘ ~ s ’ は指示語と同居できます。「そのリンゴ」「ボクの車」がそれぞれ複数であれば、‘ the apples’‘ my cars ’ です。

( 3 ) 「複数」というのは、たいていは「二つ以上」のことですが、「一つ」でなければ、つねに複数形になります。
たとえば、「リンゴが1 . 4 個」「気温0 . 3 度」などの「2 未満( 1 以外)」も複数扱いです( 1 . 4 apples、0 . 3 degrees)。不思議なことに「0 度」も‘ 0 degrees ’ です。

つまり、単数形はあくまでも「一つ」の場合だけなんです。


複数形のルールに関する練習問題

次の文は英語でどう言うでしょう?

( 1 ) オレには、弟が三人いる。
( いる= もっている= have )

( 2 ) オレ、トニーのネコが好きだな。
( 下の画像に見える両方とも)
複数形の問題

( 3 ) 私は、メアリーの犬が好き。(下の画像)


( 4 ) 机が四つ、要るな。( 主語は「われわれ」= we 、要る= need )

( 5 ) 箱が五個、必要だ。
( 必要だ= 要る。主語は「われわれ」。箱= box )

( 6 ) そのサクランボ、ほしい。
( 絵のサクランボ全部。サクランボ= cherry)


( 7 ) リンゴが要るんだよ。
( 写生をするので、適当にいくつか必要な場合。「いくつか」= some)


( 1 ) 日本語の「~ がいる」「~ がある」はさまざまに使われますね。この例や「彼には車がある」など、「~ をもっている」という意味なら、「オレ、もっている、三人の弟」のように考えます。答は“ I have three brothers . ” です。

たいていの名詞は、複数形になると、文字に‘ s ’ が加わり、それを[ z ] と発音します。それと異なる例を次の( 2 ) 以降に述べましょう。

( 2 ) Tony のネコは二匹です。そのネコを二匹とも思い浮かべているので“ I like Tony's cats. ” ですね。
‘ cat ’ のように[ - t ] の音で終わる語が複数になると、終わりの‘ - t s ’ が[ - t s] の音になります。

[ - t s ] の例:
帽子=hat +s [ - ts ]
門=gate +s [ -ts]
果物=fruits +s [ - ts ]
スポーツ=sports +s [ - ts ]

( 3 ) メアリーの犬は一匹だから、“ I like Mary's dog. ” です。
このサイトの練習問題には、ときどきこうやって、比較のためにこれまでの内容に関する問題が紛れ込んでいますよ。

( 4 ) “ We need four desks. ” です。
[ - k ] または[ - p ] の音で終わる語が複数になると、[ - s ] の発音です。「デスクズ」より「デスクス」のほうが楽でしょ?
 
[ - s ] の例:
自転車=bike +s [ - s ]
本=book + s [ - s]
漫画本=comic +s [ - s ]
カップ=cup+s [ - s]
ピクニ ツク=picnic +s [ - s ]
店=shop+ s [ -s ]
ロープ=rope + s [ - s ]
(

( 5 ) “ We need five bosxes.です。‘ box ’ が複数になると‘ boxes’ と‘ es ’ をつけて発音します。
‘ boxs ’だと、言いにくいでしょ?

語の終わりが[ - s ][ - z ]の音の名詞は、複数になると‘ e s ’ を加えて[ - i z ] と発音します。

ただし、「馬」= ‘ h o r s e ’のように語の終わりにもともと‘ e ’ がある場合は、‘ s ’ だけを加えて[ - i z ] と発音します


「家」= house は特殊で、複数はもとの‘ s ’[ - s ] が[ - z ] に変わってしまいます。
‘ es ’ または‘ s ’ を加えて[ - i z ] と発音します。

[- iz ]となる例:
コップ=glass + es [ - iz]
バス=bus+es [ - iz ]
場所=place +es [ -iz]
ノバフ=rose + s [ - i z ]
サイズ=size +s [ - iz ]
皿=dish  +es [ - iz ]
ベンチ=bench +es [ -iz ]
橋=bridge +s [ - iz ]

( 6 ) “ I want the cherries. ” です。よく見てください。ちょっと注意が必要です。
‘ cherry ’ の複数形は‘ cherries ’ です。
‘ ~ y ’ と終わる語のうち、‘ y ’ の直前が子音字(‘ a 、i 、u 、e 、o ’ 以外の文字)なら、複数になると‘ y ’ を‘ i ’ に変えて‘ es ’ を加え、‘ ~ i e s ’とします。あくまでも‘ ~ y ’ の前の文字が問題なのです。

‘ ~ y ’ → ‘ ~ i e s ’ の例:
赤ちゃん= baby  →babies
からだ= body →bodies
都市= city → cities
家族=family → families
歴史= history →histories
女性= lady → ladies
「空」( sky )、「試み」( try )も、複数にすると‘ skies ’( いろいろな空模様を言うときなど)、‘ tries ’ですよ。‘ y ’[ i ] の前の発音が[ a ] という母音であっても、文字が‘ k ’‘ r ’ という子音字だからです。

逆に、‘ ~ y ’ の直前に‘ a 、i 、u 、e 、o ’ の文字( 母音字)がある場合は、‘ s ’ をつけて[ - z ] となるだけです。

‘ ~ y ’ → ‘ ~ y s ’ の例:
カギ key+s [ - z ]
サル monkey+s [ -z ]
谷間 valley +s [ - z ]
男の子= boy+s [-z] 
おもちゃ toy+s [ - z ]
日 day +s [ -z]
道 way +s [ - z ]
「スキーskiは、終わりがy ’ではありま せんから、‘ skis ’で‘ s ’だけです。

( 7 ) の「リンゴ」は、「一つ」ではないので複数形にしますが、はっきりと個数は言っていません。適度に「いくつか」を思い浮かべているだけのようです。

そういう場合は‘ some apples ’ と言います。単に‘ apples ’でいいではないか、と日本人には思えますが、英語は数量には敏感なのです。ある程度のかぎりのある数を感じているなら、それを言わないわけにはいきません。

“ I need some apples. ”
「リンゴをもっている( ほしい)」と言う場合でも、それが一つではなく、数も明確にしないなら、「いくつか」程度のときは‘ some apples ’ と断ります。「たくさん」だったら、
‘ many apples ’ です。

「たくさん」の場合は、‘ a lot of apples’ ‘ lots of apples ’という言い方もあります。‘ a lot of ’または‘ lots of ’がひとまとまりで‘ many ’ の代わりをします。
‘ a lot’ は「ひと山」( たくさん)、‘lots ’ は「山々」( かなりたくさん) という感じの意味です。

‘ of ’ は、‘ a lot ’と‘ apples ’ を一体にさせて「何のひと山か」を説明する役です。「ひと山だが、リンゴがひと山」という感じです。
注意:「リンゴが少し」の場合は‘ a few apples ’ です。‘ a few~ ’ は、「ひと握りの~ 」くらいの意味です。その二語で‘ some apples ’ と同じような使い方をします(‘ of ’がない)。

しかし、‘ a ’ があるのに‘ apples’と複数形です。ヘンですね。じつは、この‘ a ’は「ある程度の」という意味で、‘ some ’ と意味がほとんど同じなのです。

「数( some なども含む) + 名詞複数形」は、名詞表現の全体の約1 5 . 7 % を占めています。数も‘ a ’ に代わる「前置き」と見ると、これで、名詞のおよそ9 0 % 強は「前置き」つきですね。


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