英語先生も知らない!疑問文についてもっと詳しく知りたい

翌日、ボブがトムに夢の話をしようとするのですが、トムは別のことが気になっているようです。
「メアリーが来年オーストラリアに行くって、知ってるか? 」

「~ を知っているか? 」の形は、一般に「疑問文」といわれています。ようやく、このサイトに登場です。

「疑問文」のしくみは、落ちついて考えなければいけません。
けっこうむずかしいんですよ。文の基本がよくわかってからでないと、混乱しかねません。だから、このサイトでは最後のほうにしたのです。

それに、「疑問文」という用語もいけません。「疑問」といっても、「疑う」というより、「尋ねる」「問う」という意味にすぎないのです。このサイトでは、「問い」と呼ぶことにします。

「問い」ではない文( 一般にいう「平叙文」) は、「言い切り( の文)」としましょう。

「これ、ほしい? 」というかんたんな文からはじめます。


なぜ疑問文では文末の音が上がるのか?

日本語の「これ、ほしい? 」は、声に出すと、最後の音が上向き( ほしい) になりますね。相手に何かを問うとき、特に「はい( y e s )、いいえ( n o )」の答を求める場合、文末の音を上げるのは、人間のほとんどに共通したことのようです 。
※ 世界には6 0 0 0 種類以上の言語がある、といわれています。すべてがどうなっているかは、わかりません。よく知られている言語の多くは、文末が上がるようです。三省堂『言語学大辞典( 世界言語編)』などを参照されたい。

「これ、ほしい?」は、問いでなければ、“ You want this . ” です。

この文末の音を上げると、日本語と同じく、「問い」になります(ピリオドは「?」に代えること)。
You want this?

「問い」は、なぜ文末の音が上がるのか?
声は、「ことば」を運びますが、同時に、「音としての速さ、強弱、高低」なども運びますね。
その「音」の面は、ことばの意味とは別の何かを聞き手に伝えます。たとえば「速く、強く、高い」と、話し手の興奮した気持ちがあらわれているように聞こえることがありますね。

文が下降して終わると、たとえていえば、歩いていた人がそこで腰をおろす、という感じがします。「降ろす、降りる」 のイメージです。また立ち上がって動き出すかどうかはともかく、ひとまずは休憩です。

音からそういうイメージがわきますから、「言い切り」であれば、文の終わりは下がるのが似合うのです。

文が上昇して終わると、そこでジャンプして、時間が止まる、という感じがします。あとをだれかが引きついで、ジャンプした人が着地できるようにしないと、いつまでも時間が止まってしまいそうな感じです。

音のそういうイメージが、「問い」に似合うのです。相手の答で着地する、という感じです。

実際に、相手に何かを問いかけても答が返ってこないと、その場に空白ができるような雰囲気がしますよね。時間が止まったような気まずい雰囲気です。話し手が着地できないからです。

この上昇のイメージにより、「言い切り」の文の最後を上げれば、聞き手に何かを問いかけていることになりますよ。
You know that?  そのこと、知っている?
She is 14 years old? 彼女、14 歳?
You are sleeping?  眠っているの?
Tom was attacked?  トムが殴られた?




「問い」の形式:Do you want this?

日本語の場合、助詞の「?か」を加えて「これ、ほしいか?」 とも言いますね。このほうが、文末の音に頼るだけでなく、形式としても「問い」として十分になります。単純ですね。

英語にも、「問い」として十分な形があります。文末に「か」 を加えた日本語の場合とある面でちょっと似ていますよ。

話が横にそれるようですが、ドイツ語は、「主語?動詞……」の主語と動詞の順を入れかえて、「動詞?主語.....」で「問い」の形を作ります。フランス語にも同じことがあります。

英語も、ドイツ語やフランス語と起源が同じなので、主語と動詞を入れかえていた歴史があります。たとえば、「君、ほしい、 これ」なら「ほしい、君、これ」の順にして‘‘ Want you this? ” と言っていたのです。

主語と動詞を入れかえる言い方は、本来の順番(位置)を倒すという意味で「倒置法」と一般にいわれますが、英語の歴史の中で、あとで述べる一部を除いて、現代では消えました。

しかし、完全に消えたのではありません。いわば「代理(分身)」 のような語を残してきたのです。

次の二つをくらべてください(わかりやすいように、主語を 「彼」にしておきます)。
疑問文と平叙文の比較

Pは、「彼、これをほしがっている」と言い切っています。 それを「彼、これをほしがっているのか?」にすると、Qです。 このQが形式としても十分な「問い」です。





疑問文での語順

いくつかのことがだいじです。大きく(1)(2)に分けましよう。
(1)Pの欄順は「彼、ほしがっている、これ」です。Qも、 先頭を除くと、「彼、ほしがっている、これ」です。

正確にいうと、Qは「ほしがっている」(wants)ではなく、 「ほしい」(want)に変わっています。しかし、言いたい内容だけを見ると、主語以降はP 「言い切り」でもQ 「問い」でも欄の順が同じです。

英語は、ドイツ語などとはちがって、主語と動詞を入れかえない(欄の順は崩さない)、という道に進んだのです。

日本語も、欄順を変えずに最後に「か」を加えるだけで、「問い」の形になりましたね。その点で、日英は同じなのです。

(2) しかし、先頭に‘ does’がありますね。ここは、腰を据えてゆっくり読んでください。

a) ‘ do (does) ’は、一つの動詞としては「(何かを)する というような意味をもっています。‘ do it ’で、それをするというように、意味はあいまいですが、何かの行動をあらわすときの代理として使います。日本語の「する、やる」とそっくりです。

この‘ do (does) ’を別の動詞といっしよにして、たとえば‘do play soccer ’ ‘ does run ’などと言うことがあるのです。「サッカーを(見るのではなく)やる」「(歩くのではなく)走る」 いうように、動詞の部分を強調する場合です。

だから、“ Does he want this? ” は、強調(does want)の一種と見ることができます。

b) 「彼はこれをほしがっている」は、現在の話だから、< s形ルール〉で“ He wants this.”ですね。
これが「問い」になる場合、昔の英語なら、主語と動詞をいれかえて‘‘ Wants he this?”となったところです。それが、「 主語?動詞」の欄順になるとき、「動詞?主語」の順であるかのような倒置の形を残します。

どうやって?

‘ wants ’は、まず、「ほしい」という意味、< s形ルール にしたがう形式、の二つに分離します。まるで、「ほしがって る」を「ほしい」(want)と「がっている」(does)に分ける のように。だから、‘ want ’と‘ does ’は‘ wants ’の分身です

二つの分身のうち、動詞として意味のある‘ want ’のほうが 「主語?動詞」の欄順を守る役目になります。分身でも、動詞の主役ですよ。もう一つの分身‘ does ’は、昔の「動詞?主語」 という倒置の形を残す役目を引き受け、「問い」であることを強調するのです。同時に、「現在」の話であることを示します。

したがって、“ Does he want this?”の形式は、二重のしくみになっている、といえます。
疑問文の形を歴史的背景から解説

動詞の主役‘ want ’から見れば、‘ does ’は自分の身代わり (代理)です。「代理」のおかげで、昔に似た言い方を残しながらも欄順は崩さない、という形を編み出すことができたのです。

c) ‘ want ’は、もともとの現在形‘ wants ’の分身なので、 自分自身は現在形ではありません。「ほしい」という意味だけの原形です。主語が何であれ、‘ want ’です。

「彼は、これがほしかったのか?」という過去の話でも、 ‘ wanted ’にはなりません。過去の証明は‘ do (does) ’の過去形‘ did ’にまかせます。“ Did he want this?”です。

d) ‘ does ’は、「する」という意味も失っています。「問い」 だよ、という合図として使われているだけです。一般に「文法上の助動詞」と呼ばれています。‘ will’  ‘ can ’などのジャッジ語とはちがい、ほんとに「主役の動詞を助ける」という働きです。このサイトで「助動詞」といっているのは、これだけですよ。
この形をかんたんに「代理→ 主語→ 動詞」と見ましょう。これが「問い」の基本的な形です。




日本語の疑問文と英語の疑問文の比較

もう少し長い文で日英をくらべてみましょう。
だれかが「トムは毎週日曜日に新宿でボブと映画をみているのか?」と言ったとします。終わりの「のか」をちょっと離すと、「トムは.....映画をみている、のか?」ですね。

これを英語にすると、‘‘ Does Tom see a movie with Bob in Shinjuku every Sunday? ”です。日本語とくらべてみます(部分的に略記します。「?」も省略)。
日本語の疑問文と英語の疑問文を比較

‘ does’は、「6」(see)の代理だから、「7」とします。日英ともに、「7」が「問い」の決め手、と見えますね。ただ、日本語の「7」は最後ですが、英語は、主語よりも先に「問い」 の合図を送ります。正反対ですね。

でも、「7」が先に来ると、聞き手は助かります。答える姿勢がはじめにできますからね。

しかし、逆に、話し手のほうは、現在の話なら‘ do ’か‘ does ’ を主語に対応して選ぶことになるので、主語を念頭に置いてから話し出さなくてはなりません。主語を‘ you ’にするつもりなら、‘ do ’を先に言い、主語を第三者にするつもりなら、‘ does’ を先に言う、というわけです。

日本語は、主語が何だろうと、最後に「のか?」とすれば済みますね。それに比べると、英語は、手順がやっかいですね。





疑問文の形を英作文で練習しよう

練習です。次の文を「問い」の形で英語にしてください。
① 君のお母さんは犬が好きなのか?

② トムは東京に住んでいるのか?

③ この本、読みたい?

④ 君、サッカーをするのが好きなのかい?

⑤ 彼女は、医者になりたかったのか?



解答と解説
① :主語は「君のお母さん」です。それを先に頭に思い描き ながら“ Does?”と言いはじめます。主役の動詞は原形の‘like ’ ですね。
“ Does your mother like dogs? ”

② :“ Does ?”と言い出して、“ Does Tom live in Tokyo? ”

③ :主語は‘ you ’ですね。‘ you ’につながるように Do とはじめます。
“ Do you want to read this book? ”

④:これも同じで、“ Do?’’です。「サッカーをする」は動名詞がいいですね。“ Do you like playing soccer?”

⑤:過去の話です。だから、‘ Did?’と言いはじめます。 過去の場合は、主語のちがいは無関係でしたね。
“ Did she want to be a doctor? ”

最後に次の文は、どうなります?
メアリーが来年オーストラリアに行くって、知ってるか?
Do you know (that) Mary is going to go to Australia next year?


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