中学英語でつまずいた人へ!20分で理解できる受動態の例文とその解説

トムが殴られました。

いや、ボブの夢の中の話です。ボブと映画をみた帰り、新宿の路上で、見知らぬ人から突然わけもなく顔を強よ打され、ケガもないのに救急車で病院に運ばれた、という夢です。

夢の中で、ボブがメアリーに電話しました。さて、開口?番、 ボブは次のどちらを言ったでしょう?
① トムが殴られた。
② 知らない人がトムを殴った。

どちらかなら、①に決まっていますよね。
トムは友人だから、ボブの目はトムにまっ先に向きますね。 だから、自然と「トム」が主語になります。そうすると、動詞の部分は「殴られた」になります。

私たちは、何かを文でとらえるとき、主語を自然に選んでいるのです。同じ内容なら主語はどっちでもいい、というわけでもありません。関心の強いほうが主語になり、動詞部分はそれに合わせます(幼児は、それがなかなかできません)。

人はだれでも、ものごとをとらえるときの基本的 なフレームを三つもっている、といいました。
(1)何かが何かをする、ととらえるフレーム(Aパターン)
(2) 何が何だ( どうだ)、ととらえるフレーム( B パターン)
(3) 何かが何かをされる、ととらえるフレーム

( 3 ) の「○ ○ される( された)」というとらえ方は、一般に「受け身」といわれます。主語に当たるもの( 人) 自身が何かをするのではなく、相手から何かを受けた側なので、「受け身」です。

これ、英語でどう言うか? 「トムが救急車で病院に運ばれた」のほうから進めます。

「運ばれる」は、日本語では「運ぶ」を変化させて助動詞「れる」につなげますね。他の動詞も「れる」か「られる」につなげます。

英語の場合は、「何かされる」という意味のことばは、動詞ごとに決まっています。過去形が動詞ごとに決まっていたのと同じように、です。

「運ぶ」は‘ t a k e ’ ですが、それを受ける側の「運ばれる」には‘ t a k e n ’ ということばを使います。これは、「運ばれた姿で」という受け身のようすをあらわすことばです。

でも、それだけを「トム」につづけても、「トム、運ばれた」にはなりません。「トムが救急車で病院に運ばれた」と言う場合は、次のようになります。

Tom was taken to hospital by ambulance.
( 病院= h o s p i t a l、救急車= a m b u l a n c e)
注:‘ h o s p i t a l ’ も‘ a m b u l a n c e ’ も冠詞はなし。

いま歩いている最中(進行形)の場合、「歩く姿で、いる」 としましたよね。「運ばれる」も同様で、「運ばれた姿で、いる」 とします。

まず、「トムが、いる」(例文は過去なので「いたTom was) ととらえ、次に「運ばれた姿で」(taken)とつづけるのです。

ポイントはニつ。
(1) 受け身というのは、何かをされてはじめて発生することなので、英語では「〇〇された姿で」という「過去」のような 意味のことばを使います。

そういうところから、‘ taken’のように「〇〇された姿で」という意味で使われることばを一般に「過去分詞」と呼びます。

 「分詞」なので、進行分詞と同様に、いつでも同じ形です。また、単独では主語につづく動詞の役目はできません。
「知られている」などのような現在のことがらでも、「いる、 知られた姿で」となります。現在の話かどうかは、「いる」に当たる‘ be ’動詞のところで決めます。


(2) 進行形のis walking ’をまとめて一つの動詞部分と見るのと同様に、‘ was taken ’でまとまった動詞部分と見ます。

「受け身」は、ものごとのとらえ方としては、A、 Bパター ンとは別ですが、文の形としてはAパターンと同じ、と考えます。


ただし、「トムが救急車で病院に運ばれた」のように、多くの場合、「何を」欄がないフレームでできていますよ。

Aパターンの基本的なフレーム、進行形の例(彼女は図書館で本を読んでいる)、受け身の例を図で比べてみます。

受け身と進行形の英文を比較した画像
補足:
むずかしい話ですが、補足しておきます。
進行形も受け身も、‘ b e ’ 動詞を使う点で、すべて“ Shi is kind . ”のようなパターン( この本でいうB パターン) と同じに見る考え方もあります。たしかに、「いる、運ばれた姿で」「いる、歩く姿で」という見方は、あえていえば“ 彼女は、いる、親切な姿で」と説明したB パターンと同じであるともいえます。

しかし、まず進行形の場合、「歩いている」「本を読んでいる」などと動詞を使ってあらわす人間の頭は、「何が、する、何を、… … 」のフレームでとらえて文にしているのだ、と見るべきです。

「する」のところが「している」になり、「読んでいる」なら「何を」欄がつづきますね。「何を」欄をもたない「何が、何だ( どうだ)」のB パターンとは根本的にちがいます。

受け身も同様です。「する」が「される」になり、「だれかが何かを命令された」のような文なら「何を」欄がつづきます。B パターンととらえると、ムリが出ますね。

ただし、あとで述べますが、“ She is kind. ” に似た受け身があるので、そういうケースだけはB パターンと見ることができます。



受け身表現の例文とその解説

「過去」分詞と呼ぶと、過去に起きたことがらに限定されるような錯覚が起きそうですね。
さっきもいったとおり、現在、過去、未来のいつの話なのか は、「いる」のところで決めるのです。‘is taken ’ ‘ was taken’ のように。

未来なら、たとえば‘ will be taken ’となります。
‘will’というジャッジ語を入れますから、‘ be ’動詞のところは原形の‘ be ’ですね)。

だから、ここでは、「過去分詞」を「受け身分詞」と呼びましょう。「ここでは」と断ったのは、じつは、過去分詞は受け身以外の場合にも使われるからです(そのときは、「過去分詞」 をその場合に合った名で呼ぶことにします)。

受け身の例文をいくつか挙げておきます。
Tom is known to everyone in our school.
=トムは、私たちの学校ではみんなに知られているんですよ。
(known : know の受け身分詞、everyone みんな)

This magazine is written for young men.
=この雑誌は、若い男性向けに書かれていますよ。
(magazine :雑誌、written  write の受け身分詞)

My bike was stolen yesterday=自転車、きのう盗まれた。
(stolen  :盗むsteaの受け身分詞)

未来のことやジャッジ語を入れて何かを言う場合は、とうぜん次のようになりますね。
if you do that, the toy will be broken.
=そんなことをすると、そのおもちゃ、壊れるよ。
(broken  break の受け身分詞)

Mt. Fuji can be seen from that hotel.
=あのホテルから富士山が見えるよ。
(seen:seeの受け身分詞)

Something must be done soon.
=何かがすぐになされねばならない(すぐに何らかの手を打たなければならない)。
(done:doの受け身分詞)

ところで、受け身分詞は動詞ごとに決まっている、ということでしたね。それを見ておきましょう。




過去分詞の形

これまでに紹介した受け身分詞は、どれもが‘ - n ’ の音で終わった形でした。
taken, known, written, stolen, broken, seen, done

実際には、そればかりではありません。進行分詞は、すべて動詞原形に‘ i n g ’ をつけましたが、そういう一律の形とはちがいます。

といっても、過去形のときに大きく二つに分けた次のグループが基本になります。
① 終わりに‘ - e d ’ を加えれば済む動詞
② それぞれ自分独自の過去形をもつ動詞


( 1 ) 過去形が‘ - e d ’ の形になる場合は、受け身分詞も過去形とそっくり同じです。いくつかを「原形→ 過去形→ 受け身分詞」の順で示せば、次のとおりです。

call ?called ?called
help ?helped ?helped
like ?liked ?liked
stop ? stopped ? stopped
carry ?carried ?carried
invite ?invited ?invited
love ?loved ?loved
visit ?visited ?visited

たとえば、「トムは、路上で殴られた( 暴行を受けた) 」は、、“Tom
was attacked on the street”になりますね。

「知らない人がトムを殴った」と言うなら、「知らない人(a strange)、殴った、トム」で、「殴った」は過去形の ‘ attacked ’ です。“ A strange man attacked Tom ”

どちらも同じ‘ attacked’ですが、「殴られた」はその前に 「いる」「いた」という‘ b e ’動詞があるので、混乱は起きません。「トムが知らない人を殴った」と言うなら、“ Tom attacked a strange man” です。

補足:
「トムが知らない人に殴られた」と言う場合は、Tom was
attacked by a strange man です。「殴る‐ 殴られる」という主従の関係では、殴った側( 知らない人) が主ですね。だから、‘ by a strange man ’ です。「車で、バスで」がby car (bus) ’になるのと同じですよ。

「受け身」には必ず‘ b y ~ ’ がつく、と思い込んでいる人がいますが、それは誤解ですよ。主従の関係の主( やった側) を言う場合だけのことです。ケースにもよりますが、平均的にいえば、受け身の文の二割にも満ちません。


ここでは「過去分詞」を「受け身分詞」と呼ぶことにしました。ところが、動詞によっては受け身では使われないものもあります。

たとえば「行く」「歩く」は受け身にはなりませんよね。Aパターンの文で「何を」がない動詞の場合は、相手になるもの( 人) がないので、相手がその行動を受ける、ということが発
生しません。

ただ、それらの動詞にも「過去分詞」はあります。受け身以外で使われるのです。次の( 2 ) では、それもあわせて載せておきます( 表では、それも考えて「過去分詞」としておきます)。

( 2 ) 独自の過去形をもつ動詞の場合も、「過去分詞」は過去形と同じ場合がほとんどです。
a ) 過去形と同じ( 原形→ 過去形→ 過去分詞の順)

①原形の終わりがもともと”t”なので、何も変えない
cut ?cut ?cut
put ?put ?put
hit ?hit ?hit
set ?set ?set
let ?let ?let
shut ?shut ?shut

②もともとの‘ d ’を‘ t ’に変えるだけ
build ?built ?built
send ?sent ?sent
lend ?lent ?lent
spend ?spent ?spent

③もともと‘ t ’ ‘ d ’で終わるが、他の箇所をちょっと変える
fight ?fought ?fought
meet ?met ?met
find ?found ?found
sit ?sat ?sat
hold ?held ?held
stand ?stood ?stood
lead ?led ?led

④音を伸びやかにして‘ t ’で締める
bring ?brought ?brought
teach ?taught ?taught
buy ?bought ?bought
think ?thought ?thought
catch ?caught ?caught

⑤音の長さを縮めるか、あまり変えずに、‘ t ’ ‘ d ’で締める
feel ?felt ?felt
make ?made ?made
have ?had ?had
mean ?meant ?meant
hear ?heard ?heard
pay ?paid ?paid
keep ?kept ?kept
say ?said ?said
leave ?left ?left
sell ?sold ?sold
lose ?lost ?lost
sleep ?slept ?slept


b)過去形と過去分詞がちがう動詞

①アクセントのある母音文字が‘a’から‘u‘o’に変わる
begin ? began ? begun
run ?ran ?run
come ?came ?come
sing ?sang ?sung
drink ? drank ? drunk
swim ?swam ?swum

②原形の終わりに‘n’ ‘en’ ‘ne’を加えて[-n」の音にする
be ?were, was ? been
know ? knew ? known
do ?did ?done
ride ?rode ?ridden
draw ? drew ?drawn
rise ?rose ?risen
drive ? drove ? driven
see ?saw ?seen
eat ?ate ?eaten
take ?took ?taken
fall ?fell ?fallen
throw ? threw ? thrown
give ? gave ? given
write ? wrote ? written
grow ? grew ? grown

注意: d r i v e , r i d e , r i s e , w r i t e は、原形と過去分詞では母音の発音がちがう([ a i ] から[ i ] に変わる)。d o も変則的に変わる。
r i d e , w r i t eは、過去分詞になると、終わりの子音の文字が二重になる。

③過去形の終わりに‘n‘ ‘en’を加えて[-n]の音にする
break ? broke ? broken
choose? chose ?chosen
forget? forgot ?forgotten (または、forgot)
get ?got ?gotten
speak? spoke ?spoken
steal(盗む)?stole ? stolen
wear ?wore ? worn
tear (引き裂く) ?tore? torn

④特殊なケース
fly ?flew ?flown
show?showed ?shown  (または、showed)
win -? won ?won
(過去形と同じ特殊な例)



受け身表現の英作文に挑戦!

次の文を英語にしてください。
① 多くの人々がその戦争で殺された。

② メアリーはみんなにかわいがられている。

③ この学校では、英語はジョンが教えている。
(「英語」を主語にしてみてください)

④ 君、そのパーティーに招待されるよ。

⑤ この本は英語で書かなくてはならない。(「この本」を主語)



解答と解説
①:“ A lot of people were killed in the warですね。
「戦争で死んだ」と言う場合、「殺された」という言い方にすることが多いですよ。

② :“ Mary is loved by everyoneです。
「みんな」は、彼女をかわいがる当人なので、「かわいがる-かわいがられる」の関係では主の側です。だから、‘by everyone ’です。

「みんな」はだれかをかわいく思っているようだ、というような話題なら、「みんな」が主語になりますね。それは、ふつう の A パ夕一ンで “ Everyone loves Mary.” です(‘everyone’ は、ひとり一人の意味で、単数扱い)

③ :この学校では英語はどうなっているのか、という話題の中で語られたとすると、「英語」が自然と主語になります。
English is taught by John in this schoolです。ジョンが 「教える」側なので主ですね。だから、‘ by John ’です。
ジョンはどうしているのか、という話題なら、ジョンが主語 になりますね。“ John teaches English in this school.”

④ :これは、そのときが来たら招待される、ということです から、未来の話です。“ You will be invited to the party.”

⑤ :「この本」が話題の中心でしょうから、「この本は、書かれなくてはならない、英語で」と受け身になります。ジャッジ 語を入れて、“ This book must be written in English.”

「主語はどっちなのか」という問題は、どちらに関心があるのか、何が話題になっているのか、ということで自然と決まってきます。

「受け身」を一般に「受動態」ともいいます。受け身ではない言い方(ふつうのAパターン、Bパターン)は「能動態」といわれます。

しばしば、「能動態を受動態に変えなさい(または、その逆)」 という練習問題を見かけますが、主語は機械的に変えるものではありません。

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