状態を表す動詞と動作を表す動詞を区別しよう

< s 形ルール> は、「いま( 現在)」の話をする場合にかぎって適用される、といいました。

では、その「いま」「現在」って、いつのこと?

英語の動詞現在形はいつのことを語るのか?

これは、だいじな問題です。大学生が“ I go to school ” を「私は学校へ行きます( 行く)」となぜ訳してしまうのか、ということにかかわる問題です。


「いま」と「現在」の違いは?いつのこと?

「いま」( n o w ) ということばは、日英ともに、三通りに使われます。
① 「いま4 0 歳」、② 「いまここにいるよ」、③「いま行くよ」のようにです。

このうち③ は、すぐに行くのでしょうが、これからあとのことです。これからのことは、英語では、動詞現在形の守備範囲ではありません。

例外のケースはありますが、それが基本です。

① は、「現在4 0 歳」と言いかえても意味は同じですね。「4 0歳」は、いまこのときだけでなく、ある程度のあいだはつづいてきていることです。

② は、それを言っている時点のことです。ちょっと時間が経てば、もうそこにはいないかもしれませんね。いまこのときだけにかぎった話です。
このサイトでは、これから、① を「現在」、② を「いま」と呼ぶことにします。

次の意味として決めておきましょう。
① 「現在」: これまで、ある程度のあいだ一定している、ということがらの時間幅。いわば、幅のある「線」のようにつづいている時間。

ただし、いつからつづいているのか、どのくらいの期間なのか、という明確な幅は言いません。

「○ 月○日から現在4 0 歳」とは言いませんね。明確な幅と「現在」は、一つの文の中に同居できません。英語でも同じです。

「線」といっても、そのはじめは問題にしないのです。それが、「現在」です。おおざっぱです。「ふだん」「今日」「最近」なども「現在」の仲間です。

動詞現在形は、第一に、こういう「現在」のことを言う場合に使います。A パターン、B パターン、どんな内容でも、です。

図で表すの下のようなイメージです。
現在を表したイメージ図


② 「いま」: 話をするいまこのときの時間幅。いわば、「点」としてとらえた時間。

動詞現在形は、第二に、こういう「いま」のことを言う場合に使います。イメージで表すと下の図です。
今というたった一点を表したイメージ図

ただし、内容によっては、動詞現在形では済まないことがあります。動詞の性質でちがってくるのです。

状態を表す動詞の現在形( 1 )
動詞といっても、何か特別の動きをあらわすわけではない、という性質の動詞があります。

たとえば、「もっている」( h a v e )。「オレ、車、もっているよ」と言っても、車をヨイショと持ちあげているわけではないですよね。「車が自分のものとしてある」ということです。

「住んでいる」( l i v e )。東京の人が北海道に遊びに来ていても、「東京に住んでいる」と言えます。「生活の拠点としてふだんどこどこにいる」ということです。

「知っている」( k n o w )。「それ、知っている」と言っても、いま「それ」の中身を暗誦して見せているわけではありません。

「それの情報・知識が頭の中にある」ということです。

これらは、何かがどこかにある( いる) という状態ようすをあらわしているのです。「状態動詞」と呼んでおきます。

あとで出てくる「走る」「食べる」「話す」その他、動きをあらわす動詞との区別が必要になるのです。

何かの状態が「現在、ある程度のあいだ一定している」という場合、状態動詞は現在形で言います。現在の一定した状態、ということです。

「オレ、車をもっているよ」は、ある程度のあいだ一定していることですね。“ I have a car. ” です。‘ h a v e ’ は現在形です。

「東京に住んでいる」「それ、知っている」も、一定していることです。動詞は現在形にして、“I live in Tokyo . ” “ I know it. ” です

主語が第三者で単数なら、“ Our teacher has a car. ”、“ My brother live in Tokyo . ” “ He knows it. ” ですね。

B パターンの「何が」と「何だ」のつなぎ役( * ) も、状態動詞です。あえていえば「~ の姿でいる、~ としている」という意味、ということでしたね。何の動きもありません。

「父は4 0 歳( f o r t y 」「彼は英語の教師です」「地球は丸い( r o u n d 」は、“ My father is 40 . ” “ He is an English teacher.” The earth is round.” です。

‘ i s ’ は現在形で、各文とも、「現在、これは一定している状態である」と言っているのです。「4 0 歳」「英語教師」は、いつからかはともかく、現在の年齢、職業です。寝ていても4 0 歳、家でテレビを見ていても( 職業の点では) 英語教師です。「地球は丸い」は、いつからのことかは知るはずもありません。それでも、現状は一定だから、現在形です。



状態を表す動詞の現在形( 2 )
下の絵を見て、「あの子、手に花をもってるよ」と言ったとします。
花を持った少年の絵

この「もっている」も、動きをあらわしてはいません。握っているなどの動きとして見ようとすると、「もっている」ではなく、「握っている」などの動詞を使うことになってしまいますね。

「花が手にある」という状態を言っているのです。

ところが、これは、その状態がいま見えるときにしか言いませんね。さっきの「もっている」は「現在」という一定した「線」の状態でしたが、こちらは「点」です。「いま、もっている」という一時的なことを言っているだけです。

状態動詞は、「いま」だけのことでも、現在形を使います。
“He has a flower in his hand.”
です。

「彼はここにいるよ」( ここに= h e r e) も、そのようすが目に見えるときに言いますね。「いま」という「点」のときの状態です。“ He is here . ” です。

この文は、A パターンで「彼、いる、ここに」ですが、動詞「いる」には、B パターンのつなぎ役‘ i s ’ を使ってしまいます。「~ の姿でいる」を応用して、「何かがどこかにある( いる)」という意味の動詞として使うのです。

A パターンの中の立派な動詞です。‘ a r e , a m ’ も同様です。

「私、うれしい」( I am happy . ) は、「いま」の気持ちを言っています。B パターンでも、「いま」だけのことがあります。

「きょうは日曜日」は“ Today is Sunday.”です。
「きょう」( t o d a y は、「いま」よりも長い時間ですが、曜日は日替わりですから、「現在、一定していること」ではありません( なお、この文の場合の「きょう」は、「いつ」欄ではなく、「何が、何だ」の主語「何が」に当たります)。

まとめておきます。
状態動詞の現在形:
① 現在の一定した状態
② いまこのときだけの一時的な状態


動きのない動詞が使われている文の場合、「現在」か「いま」か、この話はどっちだ? と悩むことはありませんよ。話題にしている内容ではっきりわかることですが、どちらも現在形にすればいいのですからね。

次も状態動詞です( 現在形は二つありますから、s 形のほうをカッコに入れておきます)。
「覚えている」: remember (remembers)

「~ のようすをしている」(「* 」の代わりのような動詞)
: l o o k ( l o o k s )
: s e e m ( s e e m s )

「似ている」: r e s e m b l e ( r e s e m b l e s )

それ、覚えている( 記憶している)。=I remember it.
彼は若く見える。= He looks young.
彼女は母親に似ているね。=  She resembles her mother




感情を表す状態動詞

「ほしい」( w a n t )、「好き」( l i k e , l o v e )、「思う」( t h i n k )なども、そういう気持ちや思いが頭の中にある、という状態をあらわす動詞です。

神経は動いていますが、動いているという実感はありませんね。だから、動きのないことと見るのです( 主語が第三者の場合も、外部に見える行動から、そういう状態のあらわれと見ているのです)。

「必要とする」( n e e d )、「願う」( w i s h ) なども、何かの動きがあるわけではありません。次も同様。
「嫌う」: d i s l i k e ( d i s l i k e s )
「憎む( ひどく嫌う)」: h a t e ( h a t e s )
「感じる」: f e e l ( f e e l s )
「望む」: h o p e ( h o p e s )
「推測する」: g u e s s ( g u e s s e s )
「わかる」: u n d e r s t a n d ( u n d e r s t a n d s )
「信じる」: b e l i e v e ( b e l i e v e s )
「疑う」: d o u b t ( d o u b t s )

したがって、頭の中のことを言う動詞の現在形も、「現在の一定した状態」「いまの状態」のいずれも指すことができます。

ただし、たとえば、“ I want a dog“  I like dogs“  I believe you.”( 君を信じている) などを「現在の一定した状態」の意味で言っても、そういう思いが「線」のように毎日ずっとつづき
っぱなし、というのではありません。気づけば、それがいつも一定した思いとして頭に浮かぶ、言おうと思えばいつでも同じことが言える、ということです。

「いま」のことは、話の文脈ですぐにわかります。はじめて見たものを指して“ I like it. ”( それ、いいね) と言うことがありますが、「好き」という気持ちがいま生まれたのです。

「あ、わかった」の意味で“ I understand . ” と言うことがあります。日本語では「わかった」と過去形ですが、「いま、理解できる状態になっている」と考えるのです。むしろ「うん、わ
かる」というほうがぴったりです。“ I guess~ ” も、推測の意味で「~ と思う」と言っているのです。

‘ t h i n k ’ は、何かの思いがある、という状態をあらわすのですが、「考えめぐらす」という意味では、次に挙げる「動きをあらわす動詞」として扱われることがあります。




動作動詞としてよく使われる動詞一覧

動詞といえば、「走る」「食べる」… … というように、「何らかの形で目に見える動き」をあらわすことばですよね。動詞のほとんどが、これです。「動作動詞」と呼んでおきます。

大学生でも理解があやしいのは、この動作動詞の現在形です。

まず、よく使われる動詞を列挙しておきましょう。

日本語の辞書の見出しにある語、英語の辞書の見出しにある語( これを原形といいます)< s 形ルール> による現在形二つの順になっています。

注意: 英語の辞書には原形以外に過去形なども見出しになっていることもありますが、意味の説明はほとんどありません。原形が代表です。

「はじまる(はじめる)」:begin; begin/begins
「買う」:buy; buy/buys
「来る」:come; come/comes
「?をする」:do; do/does
「食べる」:eat; eat/eats
「得る、?になる」:get; get gets
「与える」:give; give/gives
「行く」:go; go goes
「助ける」:help; help/helps
「学ぶ」:learn;learn learns
「作る」:make; make/makes
「遊ぶ、(楽器を)弾く」:play; play/plays
「読む」:read; read/reads
「走る」:run; run/runs
「言う」:say; say/says
「売る」:sell; sell/sells
「送る」:send; send/sends
「話す」:speak; speak/speaks
「立つ」:stand; stand stands
「はじまる、はじめる」:start; start starts
「勉強する」:study; study studies
「手にする」:take; take takes
「しやべる」:talk; talk talks
「教える」:teach; teach teaches
「伝える」:tell; tell tells
「まわる、変わる」:turn; turn turns
「歩く」:walk; walk walks
「働く」:work; work works



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