that節の接続詞を使った英文の解説(練習問題付き)

トムが何か考え込んでいるようなので、メアリーがボブに言いました。「私、トムの弟たちが犬を飼いたがっているんだってこと、知っているわよ。私も動物が好き。アメリカにいたとき、 リスを飼っていたの」。

それが聞こえたのか、トムが「ポク、さっき見た犬を飼いたいな」と言いました。

この会話を英語にします。“ Ilike animalsは、もういいですね。その前後の文が課題です。三つの節に分けて進めます。

はじめの文は、「私、知っている、これこれ」の形です。こ の「何を」欄は、「トムの弟たちが犬を飼いたがっていること」 です。これも「子文」です。でも、「トムの弟たち」という主語があります。

これまでの「子文」には主語がありませんでした。というより、一般的な行動だけを言っていたので、主語を言っては逆に話が通じなくなる、ということでしたね。「子文」といっても、 「文」としては不完全でしたよね。

ところが、こちらは、一般的な行動ではなく、「トムの弟たち」のことです。この「子文」だけを見ても、「何が、する、何 を」が全部そろった、ふつうのAパターンの文です。

“ Tom's brothers want to have a dogですね。これが「知 っている」フレームの「何を」欄を埋めています。「何が、する」 にそのままつなげばいいのですよ。

I know Tom’s brothers want to have a dog.

‘ I know Tom’s brothers ’までを見れば、「私、トムの弟たちを知っている」に見えます。そこに‘ want ’が来ます。ふつうの動詞現在形です。だから、主語が目の前にあるはずです。
‘ Tom’s brothers ’しかありません。‘ I ’は‘ know ’の主語ですからね。

頭の中の「知っている」フレームは、交通整理をはじめます。 「何を」欄は、「トムの弟たち」ではなく、「トムの弟たちが? ほしがっている」という「子文」(主語つき子文)なのだ、とね。

しくみは次のとおりです。「子文」の中に‘ to have?’とい う不定詞部分がありますから、そこは「孫文」ですね。
that節の接続詞を使った英文の構造理解


日本語も、同じしくみで言っているのです。ただ、「?が… …すること」と「こと」をつけて「何を」欄であることを明快にしますね。じつは、英語も同じように言う場合があります。
I know that Tom wants to have a dog.

「何を」欄の先頭に‘ that’を置くのです。いったんthat を知っていると言って、すぐ次にその中身を伝えるのです。

ニ段階の言い方です。

ただ、「ニ段階」といっても、この‘ that’は「あれ、それ」 という指示語ほどの明確な意味をもちません。「何を」のところ に「主語つき子文」が来るよ、という合図の役割(案内役)として使われているだけです。

こういう合図のようなことばは、「親文」の中に「主語つき子文」を接続させる働きをするので、「接続詞」と一般にいわれます。合図くらいの意味だから、さっきのように省略しても「知っている」フレームは混乱しないのです。「知っている」と来れば「何を?」ですからね。



日本語では主語を省略してもthat節の接続詞では主語を省略しない

「何を」欄に「主語つき子文」が来ることは多いですよ。
たとえば、「タバコを吸うのは健康によくない、と思う」は、 「私、思う、〈タバコを吸うのは健康によくない〉」ですね。
“ I think (that) smoking is not good for the healthです

B パターンの「主語つき子文(smoking is?)が「親文」の中に 入っています(‘ that’の丸カツコは略していい印…以下同様)。

「私、バカだったと思う」は?
「私、思う、バカだった」ですが、この「バカだった」はだれのこと?

ここは、話し手自身が何かを失敗して、そう思った、としておきましょう。「私は、バカだった」です。

だれのことかがわかり切っていても主語は省略しません。だれでもいいから、だれかがバカだ、というわけがないので、「子文」の中でも主語をはっきりさせます。

したがって、「私、思う、〈私、バカだった〉」です。この「何 を」欄は、Bパターンの‘ I was an idiot ’ですね。そうすると、
‘‘ I think (that) I was an idiot.”
です。

主語を省略する日本語に引きずられて、「子文」自体のしくみがわからなくなる、ということがよくあるようです。

たとえば、自分に関することで「それはきのう買った、と思うよ」なんて言うとします。英語のしくみでは、「私、思う、〈私、 きのう、それを買った〉」ですね。日本語は、二つの「私」を略していますが、英語は“ I think (that) I bought it yesterday.” ですよ 。



that節の接続詞を使った練習問題

いろいろな「子文」が入り込んでいる文を練習しておきまし ょう。次の文を英語にしてください。
① これは英語を学ぶいい機会だ、と思いますよ。
(いい機会a good chance)

② 私、車を買うお金はないわよ。

③ 君が正しい、と思うよ。(正しいright )

④ メアリーは新宿駅にいる、と思うよ。

⑤ ときどき、子どもとテニスをやって楽しんでいます。(楽しむ enjoy 、「?することを楽しむ」と考える)

⑥ この木の根っこはでかいと思う。
(根っこ=root(s)  思う=推測する=guess)



解答と解説
①:「私、思う、〇〇」で、〇〇はBパターンの「主語つき子文」ですね
I think (that) this is a good chance to learn English
です。

「これはいい機会」と言ったあとの不定詞部分‘ to learn English’は、フレームの働きで、どんな「いい機会」なのか を説明する役割としか見えませんでしょ?

② :「私、もっている、無のお金、車を買う」ですね。「車を買う」は、①と同様に、「どんなお金」の「どんな?」という説明欄で、不定詞です。
“ I have no money to buy a car

③ :「君が正しい」はBパターンですね。“ I think (that) you are right.”

④ :「駅にいる」は「駅のところに」で‘ at ’ですね。
‘‘ I think (that) Mary is at Shinjuku station

⑤ :「楽しむ」は、「テニスをすることまで進む」のではなく、 「テニスをしていることが楽しい」ということです。だから、
‘ enjoy ’のあとの「?すること」は動名詞です。「子ども」は 一人にしておきましょう。“ Sometimes I enjoy playing tennis with my child.”

⑥ :「この木の根っこ」は、「根っこ」と「この木」が「一体」 です。「根」は見えないので、‘ think ’よりも‘ guess ’のほう がいいです
“I guess (that) the roots of this tree are big.”

こう見てくると、フレームの働きというのはたいしたものだ、 と思います。特に英語は、主語・動詞を早めに言うので、フレ ームがすぐにできて、欄の準備が早いのです。欄さえ用意できれば、その中に何が埋まっても、文のしくみは崩れません。

これまで「何を」欄がどう拡がってきたかを見ておきましょうか。
何をの拡がりを確認するための英文比較

中学一年生の読者が最初にここのページを見たら、「何を」欄がどうして短かったり長かったりするのかと不思議に思うでしょうね。日本語だって同じことなのに、ね。

あるいは、どれも「何を」欄だよ、という印が上になかったら、たとえば① と⑤ のそこの部分はどちらもひとまとまり、とは見ませんよね。どこで切れてどこでつながっているのか、と呆然とするだけですね。

フレームという考え方を基本にして、「親文、子文」の見方をもってくれば、複雑そうに見える文でもけっこうかんたんでしょ?

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